
- 2012/11/02
- 風呂敷の知識
【き】黄 ~風呂敷用語 色・いろめ~
京都の風呂敷・製造・卸
山田繊維㈱の渡辺 佳弘です。
今回の風呂敷用語『色・いろめ』の第三回目は、
「天地玄黄(てんちげんこう:天は黒く地は黄色という意)」という言葉があるほど
すべての存在の根源の色とされています『黄色』です。
日本では、かさね色目にも使われたりとなじみの深い色です。
今回は特に「うこん」「きはだ」「こうろ」を紹介いたします。
うこん
うこんは東南アジア原産のショウガ科の多年草でその根から黄色の染料が取れます。
茶道具や着物を包むのに用いた「うこん木綿」は、その防虫、細菌効果から広く利用されてきました。
きはだ
きはだは山地に自生するミカン科の木で、樹皮の内側が黄色なので黄肌の意味でこの名がついたと言います。
黄色の染料としては奈良時代から既に知られており、紙を黄色に染めるのによく使われていました。また、漢方では粉末にしたり煎じたりして薬にも用いられました。
こうろ
櫨色(はぜいろ)とも言います。
櫨の木材は濃い黄色をしていて、これを煎じて染料にしたものです。
黄色でも濃くてくすんだ色をしています。
黄櫨色(こうろいろ)は歴代天皇の御衣の色で臣下の誰も着る事ができない禁色とされていました。
参考文献 草木染日本色名辞典 草木染染料植物図鑑 /美術出版社
次回は、『赤・茜色』です。
京都の風呂敷メーカー山田繊維㈱本社営業の渡辺でした。