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【よくあるご質問】風呂敷の端が縫われてないのは不良品ですか?

【よくあるご質問】風呂敷の端が縫われてないのは不良品ですか?

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いつも山田繊維株式会社・むす美"をお引き立ていただき誠にありがとうございます。
営業担当の杉江です。

今回のブログでは、ふろしき特有の「天地縫い」に関してお話させていただきます。

弊社の正絹、レーヨン、綿、ポリエステル商品のなかに「四方縫い」ではなく「天地縫い」の商品があり、
最近、お客様から
①「買ったふろしきの端が縫われていないけど不良品?」
②「縫製してない端はほつれてきますか?」
③「生地の端に穴が開いているのは不良品?」
というお問い合わせをいただくことが増えてきましたので、ご説明させていただきます。

結論から申し上げますと、不良品ではございませんし、縫製してない事によりほつれも出てきませんのでご安心ください。
これから理由を説明させていただきます。

ふろしきの天地縫い

【問い合わせの①②】
もともと「ほつれない仕様」になっているので縫製の必要が無い

「ほつれない仕様」に関しまして、2つのパターンがございます。

【1パターン目】もともとの織りによる仕様

「天地縫い」の左右の端は「ほつれの出ない織り」になっている そもそも「天地縫い」は上下の端のみ縫製されたもの、「四方縫い」は上下左右の端を縫製されたふろしきのことを指します。
また、生地の左右の端は「生地の耳」とも呼ばれています。

そして「天地縫い」の商品はその幅用に製造されているため、すでに生地の耳は「ほつれの出ない織り」になっており縫製の必要がないのです。
生地の中でも特に強く織り込まれている箇所で頑丈なため一番ほつれにくい箇所になります。

ほつれの出ない織り

縫い忘れではありませんのでご安心ください。

また、ふろしきは結んで使うものなので、「縫ってない方が結びやすい」という理由からも、縫製をしておりません。
 

※「ほつれない端」はシャトル織機で織られている

「ほつれの出ない端」はシャトル織機で織られている

シャトル織機では緯糸が入ったシャトルが左右に往復運動をするので、生地の耳が綺麗です。この生地の耳をそのまま利用しているのが「天地縫い」ですね。

対して、レピア織機の場合は緯糸が一本一本入る毎にカットされるので、ふさ状の耳となり、裁断が必要になるので縫製が必要です。
現在多用されているのはレピア織機で、大量生産に適した機械で広く普及しています。

【2パターン目】裁断加工による仕様

ポリエステル生地のふろしきはヒートカットされている

また別の理由で「左右の端がほつれない仕様=天地縫い」となっているふろしきがございます。
それがポリエステル生地のふろしきです。
ポリエステル生地は熱で溶けるという特性を活かし、左右の端を切るのに「ヒートカット加工」されているのです。
「ヒートカット加工」とは、高温のカッターで熱によって生地を溶かしながら切る方法です。
切断時に生地が溶け再び固まるため、端部の『ほつれ防止処理』にもなっているため、縫製する必要がないのです。

【問い合わせ③】
「生地端の穴」は製造行程上できるもの

ふろしきの端の穴

お問い合わせ③に関してまして。
「端にポツポツと穴が開いているふろしき」への質問も受ける事がございます。
これも「天地縫い」のふろしきの特徴の一つで「耳の穴」と呼ばれるものです。
「耳の穴」とは織り上がった生地のしわを伸ばす機械に通す時に付く穴のことです。

昔から、ふろしきの天地縫いとは端を加工せずそのまま活かすため「耳の穴」が残っている状態なのです。
決して縫製に失敗して、糸をほどいた後ではありません。

まとめ

このように、端をそのまま活かしているのが「天地縫い」の特徴で「不良品ではない」とご理解いただけたかと思います。
もし店頭などでお問い合わせがあった際は、

「生地の織りの特徴や加工により、生地の耳はすでにほつれない仕様になっており、縫製が必要の無い商品ですので不良品ではございません。」

とお答えいただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。