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鯨尺と曲尺

 みなさま、こんにちは。
京都の風呂敷製造・卸、山田繊維㈱の杉江です。
 
 現在メートル法に統一されていることは、以前お話し致しました。当社でも尺を使い、商品名を表現しているものもあります。
度量衡で1尺=30.3cmと定められていますが、現在も生きている尺は曲尺(かねじゃく)のことを表わしています。
 そもそも尺という単位は、古代中国の殷の時代、大工が使った直角に曲がった差し金(ものさし)がルーツといわれています。
 
 着物の仕立てなど長さを測るために使用されたものとして、鯨尺があります。
江戸時代中期に「鯨尺」が標準化されましたが、鯨尺は関東までしか伝わらず、東北地方では曲尺を使い布地を測っていたと伝えられています。
 この鯨尺の命名は仕立てに使う物差しをしなやかな鯨のヒゲで作ったことに由来しています。
 
  ・1尺(曲尺)=30.3cm
 ・1尺(鯨尺)=37.8cm →現在の鯨尺は曲尺で1尺2寸5分にあたります。
               (1寸=3.03cm、1分=0.3cm)
 
 当社でも十数年前、唐草でも2サイズ存在していました。この曲尺と鯨尺によるサイズ違いです。
 私たちの日常の生活で「尺」に触れ使うことはあまりないでしょう。現在でも映画のフイルムの長さやテレビ番組に割り当てられた時間を尺と呼び、業界によってはよく使われるところもあります。

 京都の風呂敷メーカー山田繊維㈱の杉江でした。